風が吹いたら
更に驚いた事に、行くべき世界に行けない人達や、

残された人達にもそれぞれ支配人のような者が

近くにいた。

そしてその支配人たちも彼らを心配している。

「これでよく分かっただろ?残された人間が

幸せにならないと、お前たちも心配になって

行くべき世界に旅立てないんだよ。

どうしても人間は、人やペットが死ぬと 

もう永遠の別れのように思って 悲観してしまうが、

本当はそうじゃない。死んでしまっても、

生きてる側が  故人やペットを想えば、ちゃんと

こちら側もその念をキャッチして、あの映像のように

想いを聴いたり見たりすることが出来るんだ。

生きてる間はそれがなかなか分からないから

仕方ないんだけどね・・・。

生きてる人間も、故人やペットの幸せを本当に心から

願っているならその者たちに心配をかけないような

人生を送らないといけない。

それが故人やペットの最高の幸せとなるからなんだ。

だから、いつまでも哀しみや後悔の念をもち続けるのは

互いにとって最も良くないことだ。」
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