風が吹いたら
「お前は今、彼女一筋だから分からなかったと思うけど

彼女をよーく見てみろ。彼女にも、俺のような者が

寄り添ってるのが見えるはずだ。」

そう言われて僕は、みーのことを

食い入るように見てみた。

・・・きっと支配人ほどではないかもしれないけど、

目を凝らせば凝らすほどみーの横には、うっすらと

年配の女の人が立っているのが見えてきた。そして

「よしよし、もう泣かなくていいよ。」

と言って、みーを優しく抱きしめているのが見えた。
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