風が吹いたら
そして肝心の みーはというと、何故か通りすがりの

男のうしろ姿を見て涙を拭いながら少しだけ笑うという

謎の光景がみられた。

結局、みーに気づいてもらえるような

風になれたわけでもなく、そして みーの

謎の微笑みからして僕の想いは確実に

届かなかったのが分かった・・・。

もっと念を込めなければいけなかったのか、それとも

念の玉を投げるタイミングが悪かったのか・・・

いろいろな事が悔やまれて仕方なかった。

支配人は、いつの間にか僕の横にいて、

またニヤニヤしながら僕を見ている。

「よく頑張ったんじゃねーの?格好良かったと思うよ。

しかし笑っちまうよな、風は風でも

『つむじ風』だもんな。でもまぁ、気にするな。

お前は精一杯やり遂げたんだからさ。」
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