野獣は時に優しく牙を剥く

 おとなしい萌菜と連れ立ってリビングからバスルームへと向かった。
 2人、中に入って扉を閉める。

 すると今まで黙っていた萌菜が口を開いた。

「突然、押しかけるような真似してすみませんでした。
 こんなことやめようって言ったのですけれど。」

 俯く萌菜に心が痛かった。
 もっと嫌な子だったら、自分も諦めがつくのに。

 そこまで思って、図々しいや。と思い直した。
 未だに谷との関係に未練を感じているなんて。

「見せていただいてもいいでしょうか。
 恥ずかしいですよね。すみません。」

 俯いたままの萌菜は左右に首を振ってスカートに手を掛けた。
 はらりと床に落ちる女性らしいフレアスカート。

 花が咲いたみたいなスカートの中央に立つ萌菜はストッキングまで脱いで、足を開いた。

 透き通るような白い肌に赤い……。

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