野獣は時に優しく牙を剥く
14.不幸の子ども
夜、電話がけたたましく鳴った。
心臓がドクドクと音を立てて電話に出ると、目の前が真っ暗になった。
「どうした?澪。」
「……おじいちゃんが、倒れた。」
そこからどうやって病院に来たのか、龍之介が連れてきてくれたのだと思う。
颯太と浩太もいて不安そうな顔をしていた。
今は疲れて眠ってしまった。
過労から来るものだろうと医師から言われ、ご高齢だから労ってあげてと告げられた。
自分のせいだ。
自分が祖父に甘えて龍之介の側にいたせいで……。
双子のお世話が大変なことくらい分かっていたことなのに……。