野獣は時に優しく牙を剥く
大騒ぎで遊び回ると夕食をかろうじて食べた双子は電池が切れたように眠ってしまった。
澪と1人ずつ抱っこしてホテルまでの道を歩く。
その道を歩きながらおじいちゃんはしんみりと話し出した。
「おばあさんに見せたかったなぁ。」
「そうだねぇ。きっと喜んだよね。」
澪は祖母から譲り受けた婚約指輪をそっと撫でているようだった。
部屋に着くと双子をベッドに寝かせて愛おしそうに頭を撫でる澪を見つめる。
俺の視線に気づいた澪がはにかんで照れたように笑った。
「沖縄へ連れてきてくれてありがとうごさいます。」
「俺も賑やかで楽しいよ。」