クラスメイトの告白。


正直、すごく驚いた。


だって……手紙をくれた相手が伊原くんだなんて思うはずがない。


同じクラスだけど、私から挨拶するくらいで、ほとんど話もしたことがない。


「私を呼び出したのって、伊原くん?」


念のため、もう一度確認すると、彼は小さくうなずく。


「ここに来たこと、誰にも言ってない?」


「うん、もちろん」


伊原くんが私のことを好きだったなんて、意外すぎる。


そもそも伊原くんが女子と話しているイメージもない。


物静かで、彼にはなんとなく近寄りがたいオーラがあって、ひとりでいるのが好きな人に見えた。


そんな彼が、私を密かに想っていたなんて……。


「突然呼びだしてごめん」


「ううん」


驚きのあまり一瞬忘れかけたけど、いまから私、告白されるんだよね?


どうしよう。
なんて返事しよう。
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