クラスメイトの告白。


「じゃ、先に帰ってるから。少し時間が経ってから来て」


「ま、待って! 何がなんだか……」


「一緒に帰ってるところ、もし誰かに見られたら困るだろ?」


「いや、そういうことじゃなくて……」


すると、彼は私の耳元で言った。


「それから、このことは全部ふたりだけの秘密だから」


一瞬、心臓が止まったかと思った。


こんな伊原くん、いままで見たことない。


私が知っている伊原くんとは、まるで別人みたい。


話し方も、声も、態度も……私の知っている彼じゃない。


「んじゃ、あとで」


彼がその場から去ったあと、私はしばらく放心状態だった。


一体、何が起きたんだろう。
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