クラスメイトの告白。
*
昨日まで私は、平凡な高校生活を送っていた。
田んぼが広がり、山々にかこまれた自然豊かな田舎町に住み、地元の高校に通っている。
そんな私が今日の放課後、同じクラスの伊原くんに呼び出されて、
予想もしなかった展開になっている。
わけもわからないまま勝手に話は進み、詳しい話は彼のアパートですると言われた。
そして私はいま、
彼からもらったものすごく雑な地図を見ながら、学校から彼のアパートへ向かっている途中だ。
このことを誰か友達にでも相談したほうがいいのか、さっきからずっと歩きながら悩んでいる。
でも、“ふたりだけの秘密”だと伊原くんに言われたし……。
「はぁ……どうしよう……」
空を見上げて、ため息をつく。