クラスメイトの告白。
「でも……黄島って子の話だけじゃ、赤西ありさがクリスマス会の準備のために学校に来たとも、図書室に行ったとも、まだ断定できないからな」
「そうだよね。白石さんの事故が起きる前から、赤西さんは不登校になっていたみたいだから……。クリスマス会の準備じゃなくて、元担任だった黒河内先生に何か相談しに学校へ来ていたかもしれないし、他の理由で来たかもしれないし……。赤西さん本人に聞かないとわからないよね」
当時1年生だった黄島さんの話では、事故が起きた日、黄島さんはクラスの日直の仕事をしていて、放課後にひとりで教室に残っていたと言っていた。
日直の仕事が終わるころには、生徒はほとんどが下校している時間で、校内は静まりかえっていたという。
外も前日に降った雪がかなり積もっていたために、グラウンドでの部活動も中止、普段聞こえてくる運動部のかけ声などもまったく聞こえず、とにかく静かな放課後の時間だったことを覚えていると言っていた。
黄島さんが日直の仕事を終えて下駄箱に向かう途中、唯一すれ違った生徒が赤西さんだったため、彼女はハッキリと覚えていた。
「黄島さんは、赤西さんとすれ違ったあとそのまま下校して、白石さんの事故のことは翌日学校で知ったって言ってたよ」
黄島さんが下校したあと、白石さんの事故は起きたことになる。
赤西さんは、黄島さんと階段ですれちがったあと、どこに向かったのだろう。