クラスメイトの告白。


「私にまかせて。黒河内先生に話聞いてみる」


「ごめんな……汐野にばっかりまかせて」


「謝らないでよ。私、伊原くんの相棒でしょ?」


すると、彼は私を抱きしめた。


「ちょっ……えっ……」


「ありがとな。本当に感謝してる」


そうつぶやいた彼は、私を抱きしめたまま離そうとしない。


驚きとともに、胸がドキドキしてくる。


この音が彼に聞こえてしまわないか心配でたまらない。


だけど、もう少しだけこのままでいたかった。


この気持ちは、心の中にとじこめておかなきゃいけないのに。


彼に優しくされるたび、どんどんわがままになっている気がする。
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