クラスメイトの告白。
吹奏楽部に所属している音ちゃんの告白は、思いもよらない衝撃的なものだった。
「いじめられてたって……音ちゃん……」
「いじめは、2年生になってからはじまったの。どうして私が先輩にいじめられるようになったのかは、考えてもよくわからない。私の演奏がだめだったのか、私が気に入らないのか……でも、楽器が好きだから吹奏楽部はやめたくなかった」
いじめられる理由がわからないと、音ちゃんは言った。
だけど、私は思う。
いじめは、絶対にしてはいけないこと。
だから、いじめられる理由なんて、いじめていい理由なんて、存在しない。
「私がいじめられていることは、吹奏楽部のほかの部員たちも気づいていたと思う。だけど、先輩が怖いのかみんな見て見ぬふり、無視だった。つらかったけど、3年生は文化祭が終われば引退だから、それまで我慢して耐えようと思ったの」
いじめに気づいても、まわりは見て見ぬふり。
無視。
それもいじめだってこと、気づいてほしい。
「だけど……文化祭が終わって先輩が引退しても、いじめは終わらなかった」