クラスメイトの告白。


どうすればいいかわからない。


苦しくて息ができない。


消えたい。


死にたい。


もう生きるのが苦しいから、死ぬしかない。


ラクになれるなら死にたい。


……そう思った。


放課後、私は階段を上がって、屋上に向かっていた。


今日は12月24日。


私が生まれた日。


家に帰れば、お母さんが誕生日ケーキを用意してくれていると思う。


だけど、もう笑える自信がない。


笑顔を作る気力さえない。


だから帰らない。


クラスメイトたちは、クリスマスイブだからか浮かれていた。


みんな、なんであんなに楽しそうなんだろう。


どうして私は、こんなに苦しいんだろう。


先輩は、どうして私をいじめるの?


今日も下駄箱に入っていた紙。


“ウザい”
“死ね”
“さっさといなくなれ”


毎日のように、どこかに紙が入っていて、ひどい言葉が書かれている。


学校で先輩とすれちがえば、わざと私にぶつかってくる。


先輩に突き飛ばされて、階段から落ちそうになったこともある。


吹奏楽部の部員以外は、誰も私がいじめられていることに気づかない。


誰にも言えない。


たとえ勇気を出して話したとしても、きっと誰も助けてなんかくれない。


いじめは終わらない。


どこにも逃げる場所なんてないんだ。


くしゃくしゃにした紙を握りしめたまま、屋上のドアの前に立つ。


屋上は立入禁止だから、ドアのカギは閉まっているとみんな思っているはず。


だけど、カギが壊れていることを私は知っていた。


屋上のドアを開けると、前日から降り積もった白い雪、晴れた青い空が見えた。
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