クラスメイトの告白。
*
――午前10時50分。
私はバス停のベンチに座り、伊原くんが乗っているバスがくるのを待っていた。
ベンチに座って見える景色は、どこまでも続く田んぼと空。
人通りもない静かな日曜日。
これから乗ろうとしているバスは、休日の場合3時間に1本しかない。
伊原くんが乗っているバスは、11時にこのバス停に到着する予定だ。
さっき伊原くんから、バスに乗ったというメッセージが私のスマホに届いた。
私は、このバス停に30分前からいる。
伊原くんと出かけることが楽しみすぎて、早く来すぎてしまった。