クラスメイトの告白。
「朝からずっと……お腹痛くて……」
そう言って音ちゃんは、お腹をさすりながら顔をゆがめる。
「大丈夫? 保健室に行ったほうが……」
「ううん、生理痛だし……」
「生理痛、重いほうなの?」
「うん……痛み止めの薬さっき飲んだから、そのうち効いてくると思うんだけど……」
「生理痛つらいよね。私も重いほうだから、その苦しみわかるよ。あ、ちょっと待ってね」
私はカバンの中から、ホッカイロをさがす。
冬の時期から入れっぱなしにしていたのが何枚か残っていたはず……。
「あった。これ服に貼れるホッカイロだから、お腹と腰のあたりに貼ってみて。温めたら血流がよくなって、少しは痛みがマシになるかも」
「ありがとう」
「私も生理痛がひどいとき、よくやるんだ」
「トイレで貼ってくる」
音ちゃんは、ゆっくりとイスから立ち上がった。
「大丈夫? 私も一緒に行くよ」
「ううん、平気。ありがとう、風杏ちゃん」
ホッカイロを受け取った音ちゃんは、つらそうな表情でお腹をさすりながら教室を出ていった。
「本当に大丈夫かな、音ちゃん……」
廊下を歩いていく音ちゃんのうしろ姿を、私は教室のドアのところから見守る。
そのとき、スマホにメッセージが届いた。
……伊原くんからだ。
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昼休み、
誰にも見つからないように図書室へ
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