クラスメイトの告白。





昼休み、私はお弁当のバッグを持って、図書室に向かった。


“誰にも見つからないように”と伊原くんに言われているため、キョロキョロしながら廊下を歩いていく。


まるで忍者のように、壁にはりついてみたり、忍び足で歩いてみたりしながら図書室を目指す。


3階のいちばん奥にある図書室。


まわりに誰もいないか確認してから、図書室のドアを私は静かにそっと開ける。


中はしんとしていて、誰もいない様子。


図書室に入ってドアを閉めた私は、伊原くんが来るのを待とうと、ドアの近くの本棚にもたれかかった。


そのとき、窓のほうから小さな声が聞こえた。


「汐野っ」


窓際の机の下からひょこっと顔を出して、右手をあげる伊原くん。


「あ、いたんだ」


「ここに来たこと、誰にもバレてないよな?」


「うん、大丈夫」
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