クラスメイトの告白。
*
昼休み、私はお弁当のバッグを持って、図書室に向かった。
“誰にも見つからないように”と伊原くんに言われているため、キョロキョロしながら廊下を歩いていく。
まるで忍者のように、壁にはりついてみたり、忍び足で歩いてみたりしながら図書室を目指す。
3階のいちばん奥にある図書室。
まわりに誰もいないか確認してから、図書室のドアを私は静かにそっと開ける。
中はしんとしていて、誰もいない様子。
図書室に入ってドアを閉めた私は、伊原くんが来るのを待とうと、ドアの近くの本棚にもたれかかった。
そのとき、窓のほうから小さな声が聞こえた。
「汐野っ」
窓際の机の下からひょこっと顔を出して、右手をあげる伊原くん。
「あ、いたんだ」
「ここに来たこと、誰にもバレてないよな?」
「うん、大丈夫」