クラスメイトの告白。
「……っ、キスだけで終わりなの……?」
女子生徒の甘ったるい声が聞こえた。
「足りない?」
「ふふっ、先輩のいじわる」
「もっと?」
「うん……っ」
「どうしてほしい?」
何なの……この会話は!!
彼氏のいない私には、刺激が強すぎるんですけど――!!
まずい展開になってきちゃったよ。
カーテンの中に隠れている私たちの身にもなってよ。
だけど、いま出て行ったらもっと気まずいし、このまま見つからないようにジッとしているしかない。
伊原くんに抱きしめられたまま、私はぎゅっと目を瞑った。
耳が熱い。
たぶん、顔も赤くなってる。
ドクン、ドクンと速くなっていく心臓の音。
この大きな音は、どっちの心臓の音?
伊原くん?
それとも、私……?