クラスメイトの告白。


「もう行ったよな?」


頭の上から伊原くんの声が聞こえて、ドキッとする。


「う、うん」


私の体を抱きしめていた彼の腕が離れ、すぐに私たちはカーテンの中から出た。


伊原くんの顔、どんな顔して見ればいいのかわからない。


緑河くんたちのせいで、気まずいし恥ずかしすぎる。


「その……俺たちも教室戻らないと」


「そ、そうだね。私、先に行くね。誰かに見つかると困るしっ」


「わかった」


彼をその場に残して、私はあわてて図書室を出ていく。


いまもおさまらない胸のドキドキ……どうしてだろう。
< 68 / 372 >

この作品をシェア

pagetop