クラスメイトの告白。


そのとき、緑河くんのスマホが鳴った。


「電話出ていい?」


「うん、どうぞ」


「はい?あー、紫蘭?いま3年3組の教室の前にいるけど」


紫蘭ちゃん……1年生の女の子だ。


昨日の昼休みに図書室で緑河くんとキスしてた女の子で、
今日の休み時間、私が緑河くんと話していたときにやってきた女の子。


「下で待ってて。もう少ししたら行くから。んじゃ」


電話を切った緑河くんは、スマホを制服のポケットにしまった。


「彼女のこと待たせてたの?」


「だから、彼女はいないって」


「ホントに付き合ってないの?」


図書室であんなキスしてたのに?


「キスはするけどね」


「ちょっ……!!」


キスはする仲だけど、付き合ってないって何?


私にはまったく理解できない世界だ。


「風杏、顔真っ赤。かわいすぎ」


「なっ……赤くなってなんかないしっ!!すぐふざけるよね、緑河くん」
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