クラスメイトの告白。
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日曜日の夕方、
私は自転車で、山のふもとにある神社にやってきた。
自転車から降りて石段を上ったあと、鳥居を通って参道を進んでいく。
背の高い木々に囲まれた境内は、とても静か。
拝殿の前に立った私は、綱を両手で握り鈴を鳴らす。
神様、どうかお願いします。
白石さんが目を覚ましますように。
『いまも意識が戻らない。医者からは、半年以内なら回復した例も多いけど、それ以降になると難しいだろうって……』
伊原くんはそう言っていたけど、あきらめてほしくない。
『茉雛が目覚めるなら、俺の命はどうなってもいい』
伊原くんのつらそうな顔を忘れられないのと同時に、彼女への深い愛を感じた。
神様……私に何ができますか?
白石さんと伊原くんを、助けてあげてください。
私は手を合わせて、祈り続けた。