クラスメイトの告白。




車が走る音で、目を覚ました。


伊原くんの帰りを待つあいだ、部屋のドアの前に座り込んでいた私は、いつのまにか眠ってしまったみたい。


ここに来たときは夕方だったのに、辺りはすっかり暗くなっていた。


いま、何時だろう……?


カバンの中からスマホを取り出すと、画面が反応しない。


「うそぉ……バッテリー切れ?」


全然、気づかなかった。


そのとき、1台の黒いワンボックスカーが、アパートの駐車場にエンジンをかけたまま止まった。


うしろのドアから帽子をかぶった男の人が降りると、車はすぐに走り去った。
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