嫌われ者の小鳥遊さんは、好かれることに慣れてない
「…もう、止めてください。これ以上私に関わらないで下さい」
「小鳥遊、俺は」
「大体、誰のせいでこんな事になったと思っているんですか。熱心な先輩の信者に目を付けられたのも、先輩が私に変に関わってくるからですよ」
「小鳥遊、」
「まぁ私、すでに嫌われてますからその辺は特に気にしませんけど。ひっそり静かに過ごしたいのに、掻き乱されると迷惑なんです」
「小鳥遊、」
「だからもう、私に関わるのは止めてください。先輩が図書室に来るのを止めないなら、私はもう学校に来ません」
「小鳥遊っ」
「先輩だって、只の気紛れで私に構っていたんでしょう。面白がっていたんですか?そうじゃなきゃ、こんな嫌われ者に近付こうなんて思わないですもんね」
「…好きだ、小鳥遊」
「…もう、良い加減にしてよっ!」
宇津井先輩に当たるなんて、筋違いも良いところだ。でも私は、昂ぶる衝動を抑えることができなかった。
「もう、止めてよ。何で好きなんて言うの、何で私に構うの、何で、何で…」
「好きなんだ、小鳥遊」
「だから、そう言う事言わないでって言ってるでしょ…!」
一方的に捲し立てる私を見つめる宇津井先輩も、何処と無く必至な様子だった。何時ものポーカフェイスとは違う、苦しそうな表情。そんな先輩の姿が、私の感情をより昂らせる。
「…何で、先輩は…」
ーー私なんか好きなの。
小さな頃両親が離婚してから、どちらにも引き取る事を拒否された私。仕方無く私を引き取った祖母からは辛く当たられる毎日。
母屋とは別の離れに住まわされ、金銭的な不自由は無くとも誰にも存在を必要とされない私。
中学では些細な事がきっかけで話から外され、高校に入学したと思ったら此処でも私の居場所はない。
ーーでも、それも辛いとは考えない。一人でも平気、自分は寧ろそれを望んでいるんだと。そう言い聞かせて生きてきたのに。
周囲からの敵意に憔悴していた私だったが、真っ直ぐな好意を向けられることもこんなに辛いなんて思わなかった。
「小鳥遊、俺は」
「大体、誰のせいでこんな事になったと思っているんですか。熱心な先輩の信者に目を付けられたのも、先輩が私に変に関わってくるからですよ」
「小鳥遊、」
「まぁ私、すでに嫌われてますからその辺は特に気にしませんけど。ひっそり静かに過ごしたいのに、掻き乱されると迷惑なんです」
「小鳥遊、」
「だからもう、私に関わるのは止めてください。先輩が図書室に来るのを止めないなら、私はもう学校に来ません」
「小鳥遊っ」
「先輩だって、只の気紛れで私に構っていたんでしょう。面白がっていたんですか?そうじゃなきゃ、こんな嫌われ者に近付こうなんて思わないですもんね」
「…好きだ、小鳥遊」
「…もう、良い加減にしてよっ!」
宇津井先輩に当たるなんて、筋違いも良いところだ。でも私は、昂ぶる衝動を抑えることができなかった。
「もう、止めてよ。何で好きなんて言うの、何で私に構うの、何で、何で…」
「好きなんだ、小鳥遊」
「だから、そう言う事言わないでって言ってるでしょ…!」
一方的に捲し立てる私を見つめる宇津井先輩も、何処と無く必至な様子だった。何時ものポーカフェイスとは違う、苦しそうな表情。そんな先輩の姿が、私の感情をより昂らせる。
「…何で、先輩は…」
ーー私なんか好きなの。
小さな頃両親が離婚してから、どちらにも引き取る事を拒否された私。仕方無く私を引き取った祖母からは辛く当たられる毎日。
母屋とは別の離れに住まわされ、金銭的な不自由は無くとも誰にも存在を必要とされない私。
中学では些細な事がきっかけで話から外され、高校に入学したと思ったら此処でも私の居場所はない。
ーーでも、それも辛いとは考えない。一人でも平気、自分は寧ろそれを望んでいるんだと。そう言い聞かせて生きてきたのに。
周囲からの敵意に憔悴していた私だったが、真っ直ぐな好意を向けられることもこんなに辛いなんて思わなかった。