嫌われ者の小鳥遊さんは、好かれることに慣れてない
それから日は経ち、相変わらず私は教室で孤立したまま。一人静かに孤独な日々を過ごしていた。

側はたから見れば私は涼しい顔をして孤立をやり過ごしている一匹狼、寧ろ群れるのを嫌うタイプだと思われているだろう。



実際、そう思われるように意識的に振舞っているのも私だ。


けれど心の内では、今のこの状況に苦痛と孤独を感じていた。勿論、言葉や態度に出すことはしないが。



そんな私の特殊だが代わり映えのない学校生活で一つだけ、たった一つだけ変化が訪れた。

全く望んでいない、迷惑極まりない変化が。




「小鳥遊、今日は此れを持ってきた」


ーー私の構内唯一の癒し空間である第二図書室、今までは一人静かに過ごしていたこの場所だったが、この間の出来事以来私以外にもう一人増えた。




ーー先日初対面の私に向かってとんでもない言葉を口にした二年生、宇津井 壮太郎そうたろうが私に向かって一冊の古い本を差し出している。



何故かあの日から、この人は毎日第二図書室に来るようになった。

私が宇津井先輩を避け教室で昼休みを過ごそうものならば、あろう事か私を尋ねて一年生の教室まで来てしまうのだ。

一度其れをされ元々居づらい教室が更に居づらい空間になってしまい、それ以降私は不本意ながら再び第二図書室へと足を運ぶようになったのだ。
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