お兄ちゃん系男子は我慢の限界。
「……そんなこと言って…綺麗な人とカラオケ行くくせに。腕組むくせに」
真っ赤な顔の夏海からボソッと零れ落ちたその言葉を、俺は聞き逃さなかった。
「は?何言ってんの夏海?」
「な、何言ってんのじゃないよっ!お兄ちゃん、私のことがす、好きとか言いながらあんな綺麗な人と仲良しじゃんっ!
ナチュラルに腕なんて組んじゃって…!」
「………は?」
待てよ。夏海の言っていることが全く分からない。
俺は女と腕なんて組んだ覚えはない。
…ん?カラオケ?ということはまさか。
「…もしかして結衣のこと言ってんの?」