I Still Love You
「聞いてもいい?知らないと俺はどうしようもできないから、それに俺はずっと長谷川に好意を持っていることを伝えてる。聞く権利はあるよな?」

珍しく強い口調の崎本に真剣な瞳を向けられ、日葵は小さく頷いた。
日葵はキュッと唇を噛んだ後、ゆっくりと言葉を発した。

「清水チーフとは、幼馴染ってことはいいましたよね。親同士が親友で、生まれたときからずっと一緒にいました。私にとっては兄であり、友達であり、絶対に私のことを裏切らない人、そう思ってました」

そこまで言って日葵は、改めて小さいころの自分と壮一を思い出した。
優しくてかっこよくて、困ったり、辛いときにいつも守り、助けてくれたヒーローだった。

「思ってた?」
崎本もその過去形が気になったようで、言葉を挟む。
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