I Still Love You
「はい」
答えながらなぜか泣きそうな気持になった日葵に、崎本は余裕の笑みを見せた。
「そんな顔すると、キスするよ」
崎本はそう言うと、日葵の額をそっと指で押す。
「部長!」
ふざけたようなその言葉に、日葵は顔が熱くなるの気がして、それを隠すように叫んだ。
わざとこの空気を和まそうとしてくれた崎本の気持ちが嬉しかった。
その後どちらともなく微笑みあう。
ちょうど海に日が沈み、辺りを赤く染めていく。
そんな景色を日葵は穏やかな気持ちで眺めていた。
この人を好きになりたい。
この優しい人を……。
そんな思いが日葵に沸き上がった。