I Still Love You

短い時間の動画だったが、ため息が零れ落ちる。
すっかり世界観に引き込まれていた日葵は、意見が出始めたところで我に返った。

慌てて記録をとるべくパソコンのキーに指を滑らせる。

数時間にわたり続いたディスカッションも終わり、各自自分の席へと戻るのを、日葵は見ながら、日葵は上層部に提出も必要になるだろうと、引き続きその場で頭の中で考えをまとめつつ作業をしていた。

「長谷川」

静かに呼ばれた声に、日葵はビクッと揺れた。
ただ名前を呼ばれただけだが、さっきの壮一の寝言が頭を過り身構えてしまう。
自分でもわからない緊張感がいまだにぬぐえないまま、日葵は顔を上げた。

「はい」

「そんな不安げな顔するなよ。違うな。俺のせいだな」
壮一は自嘲気味な笑みを浮かべながら、日葵から距離を取るように一歩下がると、壁にもたれ掛かった。
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