I Still Love You
「ここのところ、チーフすごく疲れてますよね。そばでお世話できてうれしいです」
頬を赤く染めて、可愛らしく笑う柚希に、日葵の心臓はドクンと音を立てた。
「柚希ちゃんって……」
「あっ、嫌だ。すみません。今の忘れてください。ありがとうございました」
慌てふためく柚希に、日葵も柚希の答えを聞くのが怖くて言葉を止めた。
パソコンを持って自分の席に戻る柚希を、ただ日葵は見送った。
(別に柚希ちゃんがチーフのことを好きでもいいじゃない。ただ、重要な仕事を柚希ちゃんに頼んだことがショックなだけ……)
なぜか一気に食欲がなくなり、日葵はもう一度席に座りなおす。そして自分にそう言い聞かせた。