I Still Love You
落ち着いた静かなイタリアンの店で崎本と向かいあわせに座り、オーダーを済ませると日葵は崎本をみた。
「そんなに顔にでてますか?」
そんな日葵の言葉に崎本は少し考えるような表情を浮かべた。
「そうだな。今は何かを悩んでるように見えるかな」
ゆっくりとテーブルで手を組みジッと見つめられて、日葵は視線を外した。
「かないませんね。部長には」
「なに?聞かせて?」
崎本もゆっくりと視線を外し、グラスのミネラルウォーターを口に運ぶ。
そんな仕草を見ながら日葵は言葉を探した。
「いえ、別に……」
「俺のことは気にしないで。君の思っていることを聞いてどう攻略すべきが考えるんだから」
クスリと柔らかい笑みを浮かべた崎本に、日葵も表情を緩めた。