I Still Love You

「え?私が名古屋の出張に泊りで?」
その言葉に「え?」と崎本が言葉を発して、日葵はチラリと崎本を見た。

『……誰かと一緒?』
静かに響いた壮一の声に、日葵は答えることが出来、話を逸らした。
「柚希ちゃんはどうしたんですか?」
『ああ、さっき熱を出したと連絡があった。柚希の代わりになるのは……申し訳ないが長谷川しか無理だから」
その言葉に日葵はギュッと唇をかみしめた。

仕事なのはもちろんわかる。断る権利も、権限ももちろんない。
体調を崩したのは柚希で、残念な思いをしているのも柚希だ。

「わかりました」
静かに答えると、「じゃあ詳細はメールする」それだけをいうと少しの無言のあと、無機質なトーン音が聞こえた。

日葵はその場に崎本がいることも忘れ、憂鬱な気持ちでスマホを見つめていた。

いつのまにか、いつも送ってもらう場所へと車は停車していた。
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