I Still Love You
「やっぱりな……」
その言葉に、日葵は運転席の壮一を見た。
「急遽、簡易的だがブースを出すことになって、昨日も遅くまでノベルティとかの確認があって、俺と柚希は車で行く予定だったんだよ」
その言葉に日葵は啞然とした。
「そうだったんですか……申し訳ありません。お手伝いもせず帰って」
崎本と食事をしていたころ、柚希はずっと仕事をしていた。
そして体調を崩したと知り、日葵は罪悪感が広がった。
そんな思いで俯いた日葵に、壮一が運転席から降りるのがわかった。
「お前の仕事じゃないだろ。気にするな」
そう言いながら、壮一は日葵のもとへと来ると、日葵から荷物を取り上げ、さっと後部座席に乗せた。
そこまでされてはもう何も言うことなどできなかった。
日葵は諦めたように、壮一の車に乗り込んだ。