I Still Love You
「どうしてだろうな。日葵の期待を裏切りたくなかったのかもな」
「期待?」
日葵は自分でその言葉発してみて、昔の壮一は日葵にとってヒーローだったことを思い出した。
いつもなんでも完璧で、余裕があって。その陰に努力や苦労があったことなど想像もしていなかった。
いつも後ろをくっついて、『すごいすごい』と頼りっぱなしだった。
「ごめんなさい」
そんな自分に、日葵は言葉が零れ落ちた。
「どうして日葵があやまるんだよ」
壮一があまりにも穏やかに言葉を発したことで、日葵もホッとして言葉を続けた。
「だって、昔の私って迷惑かけてばっかりだったでしょ。なんでも頼ってばかりで。それが無理をさせてた……」
壮一の思っていることなど一ミリも考えることなく、自分の気持ちを押し付けてばっかりだったように思った。