I Still Love You
「チーフ?」
「いや、本当にいろいろ悪かったと思って」
もう日葵を見てはおらず、壮一は窓の外を見ていた。
「あの……」
「なに?」
静かにゲームのインストルメントが流れる車内で、日葵は口を開いた。
「色々ってなにんですか? 行きの車でいわれたことを考えていたんです。完璧でいたかったからアメリカにって……それがどうして、どうして何も言ってくれないにつながったのか」
これを聞かなければ、自分自身が進めない様な気がした。
静かに少しずつ尋ねる日葵に、壮一が自嘲気味な笑みを浮かべたのが分かった。
「逃げたんだよ。全部から」
「え?」
その意外な言葉に、日葵は反射的に壮一を見た。