I Still Love You
「日葵からすべてから。日葵に行くのを止められたらきっと行けなかった。でもあの時の俺は、苦しくて、どうしても逃げ出したかった」
そんな葛藤があるとは全く思っていなかった日葵は、ギュッとハンドルを握りしめた。
「それも完全なおれの自己満足だったってことにようやく気付いた」
「私から逃げたかったの? 私のせいだった?」
つい零れ落ちた自分の言葉をとめようと思った時には、もう遅く壮一がシートから起き上がるのが分かった。
「違う。日葵。それは違う。すべて俺が悪いんだよ。お前は何も悪くない」
静かに、真剣な表情の壮一に、日葵は涙をこぼさないように何とか運転に集中しようとした。
「日葵、次のサービスエリアで止まって」
その壮一の言葉に、日葵もこれ以上運転をして、危険があってはいけないとサービスエリアに車を止めた。