I Still Love You
「日葵、目玉焼き!」
「忘れてた!」
昔から定番のハンバーグには目玉焼きを思い出す。
「俺に焼かせて」
「できるの?」
少し疑りながら日葵が壮一を見ると、腕まくりをした壮一がそこにはいた。
「できないわけがないだろ」
そう言いながら、壮一がフライパンに卵を割る。力が入りすぎたのか、殻とともに黄身が崩れた。
「そうちゃん!」
大笑いをしながら言った日葵に、壮一は苦笑する。
「この割れたのが日葵のな。俺のは日葵がきれいに作って」
そう言うと、壮一はソファへと歩いて行った。
少しずつ、昔のように、そして新たな関係を築ければいいな。
日葵はそう思いながら、壮一の分の卵をフライパンに落とした。