I Still Love You

再会するということ

～８年後～

「ようやくだな」
誠の言葉に壮一は微笑を浮かべた。

「社長、今日からよろしくお願いします」
真面目な顔で頭を下げた壮一に、誠はジッと壮一を見据えた。

「本当にいいのか？すぐに父親の会社に入ってもいいんだぞ？」
誠の言葉に壮一は少し言葉を選ぶように発した。

「親父の会社の事は、弟もいますしこれからどうなるかわかりませんが、今はこの会社でやりたい仕事をさせていただきたいと思っています」
父弘樹の会社は、広告業をしている。

「それに……父も若いころは違う会社で働いていましたし、なんのコネも関係なく仕事をしたいと思っています」

そんな壮一に、誠は表情を緩めると、フッと息を吐いた。

「そうか。ここからは、もう一人のお前の父親としての意見も入るかもしれないが」
そう誠は前置きすると、座っていた椅子から立ち上がった。

「壮一の作る音楽はうちの社にとっても願ってもない才能だ。だから俺としては大切な息子が来てくれてうれしいけど、弘樹からは恨まれてるよ」
その言葉に壮一も小さく頷くと笑顔を見せた。

「アメリカで学んだことも多いだろう。期待してる。それに……」

少し含みを持たした誠の言葉に、壮一は唇をギュッとかみしめた。

「アメリカに行く前に言っていた答えは出たのか？」