I Still Love You
その後二人で食事をする間も、仕事の話ばかりしていた。
あえて日葵がその話題をしていたのか、壮一がそれ以外の話をしないのかわからない。

しかし、ふと話が途切れて無言の時間が出来る。その静寂を破ったのは壮一だった。

「日葵、本当に料理うまくなったな」
柔らかな笑顔で言った壮一に、日葵も少し平静に戻っていたためクスリと壮一に笑顔見せた。

「昔よりは成長したでしょ? 昔は本当に甘やかされてたよね。今もパパは甘いけど」
「誠さんは日葵がかわいくて仕方ないからな」
同意するように、壮一は言うとゆっくりとスプーンを口にする。

「過保護だったよね。昔から私そうちゃんや誠真みたいに要領も器量もよくなかったし」
少し自虐的な言葉になってしまい、日葵は慌てて言葉を止めた。
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