I Still Love You
「それは……」
【このまま当たり前のように、日葵といることが本当に俺たちの為かはわかりません】
18のまだ若い時、そう言って日葵に告げることなく、アメリカの大学への留学を決めた壮一は言葉を止めた。
あの頃の自分は幼くて、自分のこと精一杯だった。
そんなところは日葵には見せられない。
あれから8年がたった。
アメリカのゲーム会社での経験も積んだ。そしてこの誠の会社が参入するゲーム業界の音楽を引き受ける為、帰国して誠の会社へと入社する。
それはすなわち、もう一度日葵と向き合うという事だった。
当たり前のように、日葵が生まれたときから一緒にいて、あの時このまま日葵が自分に好意を持ってしまう事が、なぜか壮一は怖かった。
可愛くて、自分のことより何よりも大切だった日葵。どんなことをしても守る。そう思っていたことは確かだった。
しかし、それが兄のような気持なのか、異性としてなのか、壮一にもわからなかった。
それに……。