I Still Love You

そして、それ以前に、日葵が自分しか知らない世界で、自分を選んだとしてもいつかその関係は破綻するのではないか……。
そんな事を考え始めたころ、自分の将来や夢を考えたときに父たちがみた海外を見てみたくなった。

見る必要がある気がした。

(何も言わずに日葵から離れた俺をどう思ってる?)

壮一にとってそんな事を思わずにはいられない日々だった。

(日葵だってもう24という大人の女性だ。俺のことなんて忘れているかもしれない……それならそれでいいだろう)

自虐激な言葉で自分を叱咤すると、壮一は誠を見た。

「社長、よろしくお願いします」

誠のするどい視線を感じながら、壮一はもう一度深く頭を下げた。

日葵の父親である誠からしたら、自分は怒られても仕方がない事をしたにも関わらず、誠は何も言わず、こうして自分を迎えてくれた。
壮一は感謝しかなかった。
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