I Still Love You

「うん。一人の男の人として見てるよ」
「お前ってさ……」
日葵の答えに、壮一がどさりと日葵に覆いかぶさり、日葵はまたもや意味がわからない。
なぜか泣きたくなるのをこらえつつ、壮一に言葉を投げつける。

「仕方ないじゃない。だってわかんないんだもん。こんな気持ちになるのも。こんな状況も」

それでも負けたくなくて、涙目で壮一を見上げれば、少し困った表情の壮一がいた。

「俺もだよ。こんなに大切で、やばいぐらいに余裕がない」
「そうちゃんが?」

(私で?)
百戦錬磨のようにモテてきた壮一だ。こんな状況など何十回、いや何百回とあっただろう。
それが悔しくもあったのに、私と同じ気持ちに初めてなってくれてるの?
そんな気持ちで見上げていると、壮一はそっと柔らかく日葵の頬にキスを落とす。

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