I Still Love You
「日葵だけが俺には特別だ。愛してるよ」
その言葉にとうとう日葵の瞳から涙が零れ落ちる。この言葉がどれほど自分が嬉しいか言われてわかった。
「私もそうちゃんだけだよ」
泣き笑いで言うと日葵はそっと壮一の頬に触れた。その手を壮一が自分の手で握りしめる。
「日葵のこと、大切にしたい。今の余裕のない俺じゃないときにしないとな」
そう言うと、壮一は日葵の上から降りようとするのがわかった。
「ダメ!」
つい無意識に言葉が零れ落ちていて、日葵は自分に驚いて手で口を覆う。
「日葵……?」
(でも、でも、ここで勇気を出さなければ、また次の機会ははずかしくなっちゃう)
日葵はそう思うと、壮一にゆっくりと語り掛ける。
「そうちゃんのものになりたい……」
自分の顔が真っ赤なのも、心臓の音がうるさいのもわかっていたが、これだけはきちんと伝えたかった。壮一が自分のことを考えてくれているのが分かったからこそ、もうこれ以上遠回りをしたくなかった。
驚いたような表情の壮一の瞳がそっと閉じられたと思えば、次に見たその瞳は妖艶で熱を孕んだ初めて見るものだった。