I Still Love You

「私の部屋の方が色々あるから、そうちゃん来てくれる？」
日葵は帰りに母親に持たせてもらった料理があったことを思い出す。料理もほとんど食べずに帰ってきてしまった二人に笑顔で持たせてくれたのだ。

（それに年越しそばかな）

そんな考えを巡らせながら言うと、浴室から「わかった」と返事が返って来る。

すぐ隣の自分の部屋に戻ると、日葵は大きく息を吐いた。
さっきまでの甘い余韻に、ようやく壮一と一つになれたことを思い知る。それがくすぐったくて幸せで、人を愛するということがこんなにも満たされるものだと初めて知った気がした。

日葵も急いでシャワーを浴びると、テレビをつける。年末の音楽番組があと新年まであと15分と表示されていた。