I Still Love You
エピローグ
「パパ? これなんてお花?」
「これはママのお花だよ」

日差しがサンサンと降り注ぐ一面黄色の向日葵畑で、娘の杏はそうちゃんに抱っこされながらきょとんとしている。

「ママのお花?」
意味が解らないと言った杏に、私もクスクス笑いながら近寄る。

「杏、これは向日葵っていうの」
「ひまわり?」
もうすぐ三歳を迎える杏は元気いっぱいだ。覚えたの言葉を繰り返しながら、壮ちゃんの腕から降りると、地面に降りてトコトコと歩きながら上を見上げている。

「私の花なの?」
そんな杏を愛し気に見つめていたそうちゃんに、私が問いかけると柔らかな笑顔で私を見つめる。

「ああ、元気で明るくて日葵そのものだよ。俺の一番好きな花。杏も好きになるよ」
そのセリフに嬉しくなる。あの暑い夏の日、向日葵を見て文句を言っていた私はもういない。


「杏、おいで」
二人で宝物を呼べば、満面の笑みの杏が走って来る。

私は、大切な人達とこれからも生きて行く。大好きな暑い夏とともに。




End
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