I Still Love You
「ひどい顔」
知らず知らずのうちに、俯いていたのかエレベータホールで聞こえたその声に、日葵はビクリと肩を揺らした。
『ひどい顔』どういう気持ちでその言葉を発したのか、日葵にはわからなかったが、これ以上心を乱されるのは避けたくて、その横を言葉なく歩いた。
「待てよ」
壮一の少し苛立ちを含んだその言葉にも、日葵は特に返事をすることはなかった。
この場を離れたくて、日葵は急いでエレベーターのボタンを押すも、まだ来る気配がないエレベーターに、内心慌てていた日葵は階段へと足を向けた。
「送って行くから乗って行け」
後ろから聞こえたその意外な言葉に、日葵は驚いて壮一を見た。
「ようやく俺をみたな」
冷たく揺れる壮一の瞳に、日葵は慌てて視線を逸らす。
「大丈夫です」
それだけを言葉少なく言うと、日葵は階段を急いで降りる。
「いいから。体調悪いだろ?」
(知ったふりしないでよ……)
その言葉をグッと飲み込むと、日葵は小さく呟いた。
「あなたに送ってもらう理由はない。もう構わないで」
それだけを言うと、日葵は階段を駆け下りた。
知らず知らずのうちに、俯いていたのかエレベータホールで聞こえたその声に、日葵はビクリと肩を揺らした。
『ひどい顔』どういう気持ちでその言葉を発したのか、日葵にはわからなかったが、これ以上心を乱されるのは避けたくて、その横を言葉なく歩いた。
「待てよ」
壮一の少し苛立ちを含んだその言葉にも、日葵は特に返事をすることはなかった。
この場を離れたくて、日葵は急いでエレベーターのボタンを押すも、まだ来る気配がないエレベーターに、内心慌てていた日葵は階段へと足を向けた。
「送って行くから乗って行け」
後ろから聞こえたその意外な言葉に、日葵は驚いて壮一を見た。
「ようやく俺をみたな」
冷たく揺れる壮一の瞳に、日葵は慌てて視線を逸らす。
「大丈夫です」
それだけを言葉少なく言うと、日葵は階段を急いで降りる。
「いいから。体調悪いだろ?」
(知ったふりしないでよ……)
その言葉をグッと飲み込むと、日葵は小さく呟いた。
「あなたに送ってもらう理由はない。もう構わないで」
それだけを言うと、日葵は階段を駆け下りた。