I Still Love You
確かに体調はよくはなかった。

重い体でなんとか電車に乗り、会社の近くの駅へと降りた。
今にも降りだしそうな空だったが、まだ雨を落ちておらず日葵は傘を握りしめて外へとでた。

「長谷川。おはよう」
後ろから聞こえた声に、日葵は振り返った。

「部長……。昨日はありがとうございました」
崎本の姿に日葵は安堵しながら、微笑みを浮かべた。
「本当に大丈夫か?あまり顔色がよくないみたいだけど」

「大丈夫です。天気が悪いせいですかね」
もちろん壮一のせいとは言えず、日葵は曖昧に返事をする。
並んで会社まで向かう。

「そう……」
「部長?」
何か含みを持たせたような崎本の言葉に、日葵は疑問を感じちらりと視線を向けた。

「昨日の清水君って、長谷川の知り合いなんだって?」
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