I Still Love You
「あの?なんて……」
自分の言葉が震えている様な気がしたが、壮一がどうして崎本に声を掛けたのかなどわからなかった。

崎本は少し悩むような表情の後、ため息交じりに言葉を発した。

「『自分の代わりに送ってもらってありがとう』だったかな」

(自分の代わりってなによ)

またもや壮一のせいで乱される心に、頭がさらに痛むような気がした。

「いえ、あの。ここだけの話にしてくださいね。昔の知り合いなんです。家族ぐるみの」
なんとか言葉を説明しながらも、日葵はハッとした。

本当にそのれだけの関係で、なにも焦ることなどないことに。

「え?家族ぐるみ?」
意外な答えだったのか、今度は崎本が聞き返す。

「はい。両親が仲がいいってだけです。小さい頃は兄のようなものだったのでその言い方になったのかもしれませんね。でも、今はそんなことはありません。久しぶりに再会したって感じです」

一気に説明すると日葵は大きく息を吐いた。
噓は一つもない。
ただそれだけの関係だ。
両親が仲がいいだけ。

日葵は自分にそう言い聞かすと、崎本を見た。

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