I Still Love You
「そうか」
少しだけ考えるような表情をした崎本が、何か言いかけたところで、会社へと着いてこの話はここで終わりとなった。

「長谷川、無理をするなよ」

それだけを言うと、崎本は自分のフロアへと向かうべく歩いて行った。

ホッとしたのもつかの間、今から壮一と会わなければいけないという現実はなくならない。

なんとか気持ちを立て直すと、日葵はフロアの自動ドアにIDをかざす。

「おはようございます」
個々のブースになっているため、誰がいるのかわからなかったが、とりあえず言葉を発するとすぐに「おはよう」と声が返って来る。
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