I Still Love You

「ここの皆さん、いい人ばかりで嬉しいです」
純粋に移動してきて不安だろう柚希に、こんな自分勝手な思いを抱いてしまった事に、日葵は自己嫌悪に陥る。

「そっか、柚希ちゃんが来てくれて本当に助かった」
なんとか言葉を発した日葵に、柚希は嬉しそな笑顔を浮かべると自分の席へと戻っていった。

(何をやってるのよ……)

一人になり、机に顔を埋めると日葵は大きくため息を付く。
どうしても壮一の言葉や行動に振り回せれている気がして、嫌気がさす。

(なんの感情も持ちたくないのに……)

過去は過去として、大人なのだがら同僚として上司と部下として、他の会社の人と同じように接しなければいけないといけない事は、日葵もわかっていた。
それができず感情が揺さぶられることが、日葵には耐えられなかった。


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