I Still Love You
「どうして泣いてる?何かあった?」
崎本の優しい言葉に日葵はブンブンと頭を振った。
「なんでもありません。少しミスを……」
そこまで言ったところで、冷ややかな視線を感じて振り返った。
「チーフ……」
コーヒーでも買いに来たのかもしれない、壮一の凍り付くような視線に日葵はバクバクと心臓が音をたて、一気に手が冷たくなるのがわかった。
「お前の今やるべきことはそれか?」
呆れたようなその言い方に、日葵の心は真っ黒に塗りつぶされた。
「ちが……失礼します」
それだけを言うと、日葵は化粧室へと駆け込んだ。