I Still Love You
週末になり、相変わらず休みなく働く壮一たちに申し訳ない気もちでいっぱいだったが、日葵に出来ることと言えば、コーヒーをいれることぐらいだった。

「お前たちもう上がれよ。たまには週末楽しんでこい」
クルリと首に手を当てながら言った壮一の声に、日葵と柚希は目を合わせる。

「チーフお疲れですよね？」
心配そうに声を掛けた柚希に、フワリと笑顔を見せて、壮一は柚希をデコピンする。
そんなやり取りを日葵はただ見ていた。

「お前みたいなひよっこに心配されるほど、年取ってない。早く帰れよ。……長谷川も」

おまけのように聞こえて、日葵は小さく頷いて視線を向けることなく、カバンに荷物を詰め込んだ。

「柚希ちゃん、今日は終わろうか」
なんとか先輩の顔を張り付けて、日葵は柚希をみると、柚希はなおも不安げな表情で壮一を見ていた。

日葵とて壮一の事を心配していないわけではない。
目の下にはっきりとしたクマができている、顔色の悪い壮一の事が気になって仕方がなかった。
でも、それを言葉にすることも、態度にあらわすことも今の日葵にはどうしてもできなかった。



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